亀田企画と藤井企画がAbemaTV反撃ののろし

 

サイバーエージェント(6割)とテレビ朝日(4割)が出資するインターネットテレビ「AbemaTV」。すべて無料のインターネットテレビ局を標榜し昨年4月開局した。

運営はAbemaTV(東京都渋谷区、藤田晋代表、資本金3億円)。アベマを逆さに読むとAmebaとなり、サイバーエージェントのブランドが浮かび上がる。

収益源は広告収入と放送終了後の見過ごし番組を有料で見ることができるオンデマンド収入に依る。

開局1周年で1600万ダウンロードを実現したが、AbemaTV等の先行投資事業は2017年上半期(2016年10月-2017年3月)において108億円の営業損失(1Q-50億円、2Q-58億円、営業利益は143億円の黒字)。とはいえ、2Qでは好調なゲーム及びスマホ広告事業が牽引した既存事業は過去最高の営業利益137億円を叩き出し(営業利益は79億円)、先行投資にかかる赤字を吸収している。

5月7日、開局1周年企画として配信されたボクシング元3階級王者の「亀田興毅(30)に勝ったら1000万円」の番組に視聴者が殺到。1300万アクセスと開局最多の視聴者数を集め、ついにはサーバーがダウンしてしまうハプニングが起きた。対戦相手はホストや元競輪選手、元暴走族トップなどの4選手。現役引退したとはいえ、さすがに元世界王者の技が優った。

同日、14歳2ヶ月で史上最年少のプロ棋士となった藤井聡太4段を前面に出した「藤井聡太4段 炎の七番勝負」を配信。圧巻は佐藤康光9段将棋連盟会長、羽生善治3冠との対局。
両局とも大方の予想を覆し、中学3年生である藤井4段が堂々の圧勝。加藤一二三、羽生善治と天才少年と呼ばれたかつてのプロ棋士最年少記録保持者を破る新たな天才の対局を終始配信した。

国営放送、民放とも、マスメディアゆえ、制作予算内で最大公約数的に視聴率を稼ぎやすい若手芸人や人気アイドルに偏る時間浪費系コンテンツが後を絶たない。

インターネットの年間広告費は1.3兆円と新聞を抜き去り、TV(1.8兆円)に迫る広告媒体に成長したことはもはや言を待たない。現状、運営コストが安いインターネットTVがいつしか地上波を抜き去る日が遠からず来る。

そのカギは多様な視聴者の志向にセグメントされた低予算かつ良質な企画力によるのだろう。

ニュース、スポーツ、音楽、アニメ、バラエティ、将棋、麻雀など視聴無料、24時間編成、約30チャンネル、若年層ターゲットの番組を配信するAbemaTVがその先鞭をつけそうだ。